初めまして、夜永ハルです。私が脚本家になった道筋2
こんばんわ、夜永ハルです。
昨日は、私が脚本家になるまでの道のりの半ば、地元から東京へ移るまでのお話をさせていただきました。
ノリで受けたオーディションに合格し、ずっと理由をこじつけて、行かなかった東京へ行かざる負えなくしたことによって半ば無理やりに行くことにした私。
そうして、東京の俳優養成所に。
そこでのレッスンは特別真新しいことはありませんでした。
演技のレッスン、発声、脚本の読み方特別なことは特にありませんでした。
しかし、一つ転換点がありました。
それは卒業間近に行われた全体オーディション。
養成所とつながりのある俳優事務所の人事の方々に対してのオーディションでした。
このオーディションでは、今まで勉強したことをフルに発揮して、絶対合格するぞと息巻いていたのを今でも覚えています。
結果は
惨敗。
残念ながら、自分を拾ってくれる事務所はありませんでした。
オーディションはすべて不合格。養成所も卒業。どこに行くこともできなかった私は、このタイミングで一度芸能をやめようと、一つの決断をしました。
そこから約1年間。芸能に関することは何もせず、バイトで働いていたレストランでひたすら料理をし、趣味で絵を描いたり、ゲームをしたり。
芸能とは完全に無縁な生活をしていました。正直この時の方が安定的な収入を得ていたので、お金の面だけみたら戻ってもいいかなとは思いますね。
その後1年間。
人間は愚かで、一度完全にやめようと思っていた芸能を、またやりたいという小さな思いが、胸の中でくすぶり始めました。
え? またやりたいの?
自問自答を繰り返しますが、どうしてもまたあの舞台で浴びる脚光。拍手。そして、演じる喜び。あれをまた味わいたくて、卒業した養成所に連絡をしました。
卒業後の養成所には月謝コースという、お金を払えば、週1回のレッスン。その他芸能関係の仕事の斡旋、オーディションの情報提供等、新たに俳優として活動を始めるには申し分ない環境がそろっていました。
そして、月謝コースに改めて入校した最初の月。
早速、舞台の仕事が来ました。
内容は時代劇。かつてヒーローショーをやっていたことで殺陣やアクションができるからということで、私に白羽の矢が立ったのです。
仕事に飢えていた私は、二つ返事でOKを出しました。
それが、今私が脚本を書いている大きなきっかけでした。
そこで、共演者として出会った人間がいました。
それが、今同じ劇団で活動している、いわば相方のような人間です。
そいつは、私と同じ地元で同じように東京にやってきて、これからどんどん活動していきたいと思っている暑苦しくも、尊敬をしていしまうような人間でした。
その舞台が終わったあとも、そいつとはなぜか交流がありました。
別に遊びに行ったりとかはしていなく、ラインでたまに連絡を取り合っていたり、お互いが出演している舞台に見に行ったり。
そいつが見に来た回数の方が少ないんですけどね!!
ある日、そいつが言いました。劇団を作りたいと。
そうです。これが今、私が脚本を書いている理由なのです。
その話に乗り、私はそいつと劇団を旗揚げしました。
細かいことは省きますが、その劇団の活動は好評で、おかげさまで今まで赤字を出さずに公演が出来ています。
そして私も、一つの公演が終わった後、すぐ次は何の話を書こうかなと、物語を書くことに楽しみを見出すことが出来ました。
舞台の脚本の物量はヒーローショーの比ではありません。
前回の記事で話した通り、ヒーローショーの脚本約30分。ページにして15ページほど。
それに対して、舞台の脚本はやろうと思えばいくらでも、もちろん、一日の公演数や、お客様の集中力の問題もありますので、長くても1時間30分程度。
ページ数にして役45P~50P 文字数も約3万文字ほどになりました。
ほとんど3倍です。
初めて舞台の脚本を書いたときは、今でも忘れません。
まだ2年前の事ですが、もともと公演ではなくイベントを予定しており、役者を集めて、ショートストーリーで何本かやる程度の小さなものでした。
そこに、役者としてよくお世話になっていた劇場さんから、急遽枠が空いたからやらないかという打診。
そのこと自体はとてもうれしいし、いいのですが、顔合わせまで2週間しかないというのが問題でした。
台本もない。役者もいない。イベントに出る役者にそのまま舞台に出てくれないか打診する?
というか、劇場からは無理に舞台にしなくてもやろうと思っていたイベントをそのまま劇場使ってくれればいいからとか言われたけど、その期間も2週間あるんだよ。
2週間ショートストーリーのイベントやってもお客さん来ないでしょ!
そもそも、イベントでオファーしてる役者は2日間の契約だし!
そんなこんなで、急遽台本を用意しながら、同時に出演してくれる役者を探すことになりました。
そこからは、まさに火の車。繁忙期のブラック企業も大体こんなもんなイメージだなぁ。とか思いながら、台本のテーマ、コンセプト、登場キャラクター、そして本編を朝も夜も本当に休まず作業をしていました。
結局のところもともとイベントでやろうと思っていたショートストーリーをオムニバスとして、それの後日談として、1時間10分ほどの一つのお話として書き上げました。
舞台はカフェ。そこには穏やかなマスターと、元気な従業員。いつも来る常連のお客さん。そして、いつも同じ時間に、同じ席に現れる幽霊。
そこに現れる、マスターの姪を名乗る女の子。
女の子からは放たれた言葉は
「火事でも炊事でも、お店の手伝いでも何でもやります。絶対に迷惑をかけません。必ず役に立ちます。だから、どうか、しばらく私をこの家に置いてください!」
孤独な女の子のが、新たな家族を得る。そんなお話。
その作品が、ノウハウもほとんどなく書いた私の初めての作品でした。
急造で書いたお話でしたが、私は気に入っています。
このお話は、1年後、続編として、従業員の女の子の過去のお話をやることになるのですが、それはまたいづれ。
そうして、私は、劇団を立ち上げ、脚本家として活動するようになりました。
今では自分で出演をするのではなく、お話を書き、それを客席から見たいという気持ちの方が強いです。
中々出演者が集まらない関係で、そうもいっていられないのが現状なんですけどね。
コロナですし。
それでも、いづれは脚本家一本で活動をしていきたいですし、もともと本を読むことも好きなので、小説も書いてみたい。
今は、先々に決まっている公演予定に脚本を間に合わせるのが精々な実力。
どんどん、書くスピードを上げ、余裕をだし、脚本の書き貯めをし、小説も書いていきたいと思っています。
夜永ハルの本が出たら、ぜひ買ってくださいね?
散文失礼いたしました。