Cafe fiction sttera ragazza エピローグ あとがき
【エピローグ】
カフェフィクション
理恵が定位置でコーヒーを飲んでいる。それと向かい合って、悟もコーヒーを飲んでいる。店の扉の鈴がなる。沙耶と、千歳が帰ってくる。千歳の服が私服に変わっている。
千歳 ただいま!
沙耶 帰りましたー!
悟 お帰り―。どうだった?保房さんの所の発表会は?
千歳 面白かったです! 響ちゃんのお話、すごく良かった!
沙耶 ねぇ! 明日香ちゃんと保房さんのお芝居もすごかったです!
悟 おおー、どんなお話だったの?
千歳 はい、一人の女の子が、最初はすごく不幸なんだと思っていたんですけど、周りの人たちが、その子に幸せってこういう物なんだよって教えてあげていって、自分が幸せだったことに気づくってお話しでした! もうすっごい共感しちゃいましたよ~。
悟 なんか効き覚えがあるね。その話。
沙耶 保房さんが一人で7人も演じ分けているのが本当にすごくて!
悟 あの人、本業保育士だったよね? でも、そうか、そんなお話だったんだ。
千歳 マスターも行けばよかったじゃないですか。
悟 僕が行ったら誰がお店にいるのさ。いいんだよ。こういうのは若い子達で楽しんでくれば。
沙耶 言動がおじさんみたいになると本当に老けますよ。店長に、発表会で出た名台詞を教えてあげますよ。
悟 うん。
沙耶 君だけじゃない、全ての子供たちは等しく、星のように輝くことが出来る。だから、自分からその輝きを無くすようなことをしないで! 星の王子様のセリフです!
悟 その台詞、今の流れで何も関係なくない? そういえば、なんてタイトルだったの?
千歳 はい! 星の少女ってタイトルでした!
悟 ふーん。いいタイトルだね。
千歳 あ、おかわり注ぎますね!
千歳はコーヒーサーバーを手に取り、悟のカップにコーヒーを注ぐ
沙耶 そういえば、この間美穂さんにお茶菓子貰ったんですよ! 一緒に食べませんか?
悟 いいね。お楽しみ会の感想もっと聞きたいし、一緒にお茶にしようか。どんな奴?
沙耶 確か、山吹色のお菓子って言ってました!
悟 それって、賄賂なんじゃ……。あ、僕も手伝うよ!
沙耶と悟は二人で厨房に入っていく
千歳 沙耶さんは、本当に面白いなぁ。
理恵のカップにコーヒーを入れようとすると、理恵の姿が見えるようになる。
千歳 え?
理恵 千歳ちゃん。悟を幸せにしてあげてね。
千歳 ……。はい、お義父さんにもらった幸せは、私が必ず何倍にも返して、お義父さんを幸せにして見せます! 私達は、家族ですから! 任せてください!
理恵 うん。
鈴の音、響、明日香、保房、美穂、望が店に入ってくる
美穂 こんにちは~!
明日香 おなかすいた~。店長なんかご飯~。
響 千歳~、響はありがとう~。
望 いいんですか、ご一緒しても?
保房 常連のよしみじゃないですか~。お茶にしましょう?
悟と沙耶が戻ってくる
悟 うわ! なんかいっぱいいる!?
沙耶 おー! オールスターですね!
悟 千歳ちゃん! 席に御案内して!
千歳 はい! いらっしゃいませ! カフェフィクションへようこそ!
賑やかな店内。本日の営業が始まる。
完
~あとがき~
最後まで読んでくれた方、ここだけ読んだ方でも、皆さんありがとうございます。
夜永ハルです。
初めて、過去に書いた作品をブログに掲載しました。
この作品は私が舞台に出演する側ではなく、創る側として初めて書いた作品です。
元々はイベント用でこのCafe fictionを執筆していた中で、急遽1時間程度の舞台公演をすることになってしまい、急遽執筆したものでした。
イベント用は、店長の鈴木悟を主人公を中心に、へんな常連客とアルバイトの沙耶ちゃんに振り回されるコメディ作品で、店に来る客の一人として千歳ちゃんが存在しました。
イベント用の千歳ちゃんは出演者の兼ね合いでお披露目することが出来ず、じゃあこの子を主人公に物語を書こうが切っ掛けでした
ネグレクト気味の恵庭家、実際ネグレクトを主題に置くともっと重く、えぐい話になりそうなもので、今の私がゼロから執筆したらかなり重たい物語になりそうな気もします。
家族愛をテーマに構成されていまが、本当の家族ではなく、絆が本当の家族を作るんだよというお話で、別に本物の家族をディスるわけではありませんが、昨今見る毒親や、虐待に対して知らないだけでもっと素晴らしい世界はあるんだよとこの物語では語りたいと思っています。
実際虐待されている子供はそれでも実の親の愛を求めてしまうことも多いようですが。
さて、物語を最初から最後まで読んでくれた方は気になる点があるかと思います。
そう、この物語は続くのです。
悟と理恵の関係。悟の実家、沙耶の過去。他にもいろいろな伏線?のようなものをちりばめており、実際次の作品、Cafe fiction riva ricostruzioneは沙耶の過去に言及したものとなっております。
三作品目は現在まだ執筆していませんが、来年あたりを目途に執筆し、実際舞台公演をしようと考えています。
もし、それをご覧になる期間があると私はとてもうれしいです。
では、また